行政書士資格塾・独学講座 第14回

2015/5/30 更新

法令等>行政事件訴訟法

 それではみなさん、行政書士資格塾・独学講座の第14回目の講義を始めます。今回は、行政事件訴訟法について説明します。
そこで先ず、行政法1の行政法全体図を思い出して下さい。この行政事件訴訟法は私が三大法と呼んでいる法律の中の一つでした。また、国家賠償法、行政不服審査法と合わせて、救済三法とも呼ばれています。平成26年度本試験では、行政事件訴訟法から択一式で3問、多肢選択式と記述式で各1問の出題がありました。

 行政事件訴訟法では条文と判例からの出題があります。最初は、うかる!行政書士 総合テキストを通読して過去問を解いて下さい。うかるぞと過去問に出てくる条文は、可能な限り公務員試験六法その他の六法で条文を確認して下さい。
  プロゼミ行政法では行政事件訴訟法の改正に対応していないので、この部分は読まないで下さい。

 下記のまとめは、行政事件訴訟法のまとめです。

分野 行政事件訴訟法・ポイント20
定義等

□ 行政事件訴訟とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟、機関訴訟をいう。(2条)
□ 抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟で、「処分の取消しの訴え」「裁決の取消しの訴え」「無効等確認の訴え」「不作為の違法確認の訴え」「義務付けの訴え」「差止めの訴え」がある。(3条)
□ この法律において「義務付けの訴え」とは、行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないときを除く)、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。(3条)
□ この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。(3条)
□ この法律において「民衆訴訟」とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。(5条)地方自治法の住民訴訟が該当する。
□ この法律において「機関訴訟」とは、国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう。(6条)よって、国民には直接関係がない。
□ 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。(7条)

取消訴訟

□ 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。(8条)
□ 処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。(10条)よって、裁決の取消しの訴えでは、裁決自体に問題があったことを理由にしなければならない。
□ 処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があった後に当該行政庁の権限が他の行政庁に継承されたときは、当該他の行政庁)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟では、処分の取消しの訴え→当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体、裁決の取消しの訴え→当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体、をそれぞれ被告として提起しなければならない。(11条)
□ 取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。(12条)
□ 取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6箇月を経過したときは提起することができない。ただし、正当な理由があるときは別である。(14条)一方、行政不服審査法の審査請求では、「処分のあったことを知った日の翌日から起算して60日以内」である。
□ 取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。(16条)
□ 原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。(19条)
□ 取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、裁判所は決定をもって、訴えの変更を許すことができる。(21条)
□ 裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもって、その第三者を訴訟に参加させることができる。(22条)
□ 執行停止の申立てがあった場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があった後においても、同様とする。内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない。(27条)

その他

□ 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる。(37条)
□ 民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。(42条)
□ 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。(44条)

 以上で、第14回目の講義、法令等>行政法5は終りです。次回は、地方自治法に入ります。

 行政書士試験は、普通の人が、正しい方法で人並以上の努力をすれば合格できます。どんどん先へ進みましょう。