行政書士資格塾・独学講座 第17回

H27/8/23 更新

法令等>民法2

 それではみなさん、行政書士資格塾・独学講座の第17回目の講義を始めます。民法2の物権です。物権とは物に対する権利です。物権は民法の中でも難しい分野であり、その中でも特に物権変動と抵当権は難問です。よって、物権変動や抵当権からの出題で、知らない判例だったり、個数問題の場合は捨て問として諦めたが効率的です。他のやさしい民法の出題問題から得点した方が効率的です。よって、物権については、基本を過去問を中心に理解するようにして下さい。

 下記のまとめは、「民法物権・ポイント20」です。物権分野の基本をまとめたものです。

分野 民法物権・ポイント20
物権変動 □ 不動産の二重譲渡の対抗問題は、登記で判断する。(177条)
□ 制限行為能力者や詐欺・強迫の被害者は保護すべきだから、対抗問題と登記は関係ない(登記では判断しない)。あくまでも、取消し前に第三者へ転売された場合である。ただ、詐欺の被害者は善意の第三者には対抗できない。当然、登記では判断しない。一方、取消し後の転売の場合、取消しの原因が制限行為能力者・詐欺・強迫の何であろうと、二重譲渡同様に登記で判断する。
□ 極悪人には、登記なしで対抗できる。極悪人とは、不法占拠者、背信的悪意者などである。
□ 無権利者から買って登記を得ても、権利者にはならない。
□ 債務不履行による解除は登記で判断する。「解除登記」と覚える。
相隣関係 □ 土地所有者は、境界付近で建物を築造する際などは、必要な範囲内で隣地の使用を請求することができる。ただし、隣の家までには立ち入れない。隣人は損害が発生したなら、請求できる。(210条)
□ ある土地が他人の土地に囲まれていて公道に出ることができない(袋地)ときは、その土地の所有者はその土地を囲んでいる他の土地を通ることができる。だたし、なるべく損害の少ない所を通らなければならない。また、損害があれば償金を支払う必要がある。自分の土地を分割したことにより袋地になった場合は、元の自分の土地しか通れない。また、償金も必要ない。(210〜213条)
□ 境界標の設置・保存費用は相隣者が等しい割合で負担する。測量の費用は土地の広さに応じて負担する。(224条)
□ 境界を越えてきた竹木の根は勝手に切って良いが、枝は切ってくれるよう所有者に請求するしかない。(233条)
□ 境界線より1m未満に他人の宅地を見ることができる窓・縁側を設ける際は目隠しをしなければならない。(235条)
共有 □ 各共有者は、共有物の全部につきその持分に応じて使用することができる。(249条)持分に応じた部分ではない。
□ 各共有者の持分が不明のときは平等と推定される。(250条)みなされるのではない。
□ 共有物の変更(畑→宅地)は全員の同意が必要である。(251条)共有物の管理(共有物の賃貸)は持分価格の過半数の同意が必要であり、保存行為(屋根の修繕)は各共有者が単独でできる。(252条)
□ 各共有者は、持分に応じて管理費用(税金や修繕費用)を負担しなければならない。(253条)均等ではない。
□ 共有者の1人が持分を放棄したり、相続人なくして死亡したときはその持分は他の共有者のものとなる。(255条)
抵当権 □ 不動産、地上権、永小作権に抵当権は設定できる。(369条)
□ 抵当権の効力は、被担保債権の不履行があった以降の果実に及ぶ。(371条)
□ 抵当権の順位は各抵当権者の合意により変更することができる。だだし、利害関係者(転抵当権者など)の承諾が必要である。(373条)抵当権設定者(不動産の所有者)の承諾は不要である。順位を変更しても抵当権設定者は損をしないから。
□ 抵当権者が第三取得者に請求して抵当権を消滅させるものを代価弁済という。(377条)抵当不動産の所有権を取得した第三者は抵当権消滅請求をすることができる。(378条)
□ 更地に抵当権を設定した後に、その土地に建物が造られた場合、抵当権者は土地と共に建物も競売することができるが、優先弁済は土地の代金からのみである。しかし、建物所有者が抵当地について抵当権者に対抗できるときは、一括競売できない。(389条)
 

 以上で、第17回目の講義、法令等>民法2は終りです。次回は、民法3に入ります。

 行政書士試験は、普通の人が、正しい方法で人並以上の努力をすれば合格できます。どんどん先へ進みましょう。