行政書士資格塾・独学講座 第18回

H27/8/23 更新

法令等>民法3

 それではみなさん、行政書士資格塾・独学講座の第18回目の講義を始めます。民法3の債権です。債権とは人に対する権利です。債権は原則として自由に作り出すことができます。基本的なものが民法に載っています。それを有名(民法の中に名前があるという意味)契約といいます。債権は、難しく範囲も広いですがおもしろいです。実際の生活の場面をイメージしながら勉強すると理解しやすいです。ただ、おもしろいからといって深入りは禁物です。合格後、開業した際には、実務でどれだけでも勉強できます。

 下記のまとめは、「民法債権・ポイント30」です。出題が予想される債権分野の基本をまとめたものです。

分野 民法債権・ポイント30
債権者代位権 □ 債権者Aが、債務者Bの持つ債権B→CをBに代わって、第三債務者Cに請求できる権利である。当然、債権B→Cは期限が到来していなければならない。また、債務者Bの一身専属権(慰謝料請求権、夫婦間の契約取消権など)は代位行使できない。(423条)
□ 債権A→Bの期限が到来しているなら、裁判所を通す必要はない。未到来なら、保存行為の場合を除き、裁判上の代位が必要である。(423条)
□ 債権者Aが「自己の名をもって」行使するのであって、代理人としてではない。
□ 特定物債権(登記請求権など)を保全する場合は、債務者Bの無資力要件は必要ない。
□ 債務者Bが権利行使(請求)している場合は、債権者Aは代位行使できない。
連帯債務 □ 債権者は、連帯債務者の各自に全部を請求できる。連帯債務者の1人に生じた事由は、原則として他の連帯債務者には効力を及ぼさない。相対的効力という。(432、440条)
□ 1人の連帯債務者について、無効・取消原因が存在しても、他の連帯債務者が負担する全部の金額は変更ない。(433条)
□ 1人の連帯債務者に時効や免除があった場合、負担部分についてのみ他の連帯債務者も債務を免れる。(437、439条)
□ 債権者が死亡し連帯債務者の一人が相続した場合、混同により債務は弁済したことになる。相続した連帯債務者は、他の連帯債務者に対し負担部分に応じ求償できる。(438、442条)
□ 他の連帯債務者にも効力が発生する代表的な絶対的効力は、「ソーセージメン」と覚える。続、求、効、除。(434〜439条)
相殺 □ 相殺は一方的な意思表示なので、相手方の承諾は要らない。(506条)
□ 相殺の意思表示には、条件や期限を付することはできない。(506条)
□ 相殺の意思表示は、相殺適状に遡って効力を発する。(506条)
□ 不法行為による損害賠償請求権を被害者から自働債権として相殺できる。一方、加害者から受働債権として相殺できない。(509条)
□ お互いに仕事を手伝うという債務などは、債務の性質上相殺できない。(505条)
危険負担 □ 危険負担とは、債務者と債権者のうちどちらがバカをみる(損する)かということである。売買契約で、品物を引き渡さなければならない債務者がバカをみるものを「債務者主義」という。引き渡せと請求できる債権者がバカをみるものを「債権者主義」という。原則は債務者主義である。よって、不特定物であるビールを引き渡す前に不可抗力(何の落ち度もなく)でビール瓶が割れた場合、酒店は別のビールを買主に渡さなければならない。(536条)
□ 家の売買契約などの特定物債権では、債権者主義である。よって、売買契約後家を引き渡す前に隣家からの貰い火によって家が焼失した場合、買主は家を手に入れることはできないが代金は全額支払う必要がある。(534条)
□ 特定物の売買契約が停止条件付の場合(行政書士試験に合格したら家を買う)、条件成就未定の間(合格する前に)に目的物が滅失したら債務者主義である。一部毀損の場合は、債権者主義であり、債権者は全額支払わなければならない。(535条)
□ 履行不能(家が焼失した)の原因が、債務者の責めに帰すべきとき(タバコの火の不始末)は、債務不履行の問題であり、危険負担の問題ではない。よって、買主である債権者は、契約解除と損害賠償請求ができる。(415条)
□ 引渡し期限後に、不可抗力によって履行不能になった場合は、債務不履行の問題である。引渡しが遅れていた債務者に落度があるから。
担保責任 □ 全部他人物売買の場合、悪意の買主は損害賠償請求はできないが、契約を解除できる。(561条)
□ 一部他人物売買と数量指示売買の場合、悪意であっても代金減額請求ができる。残部だけなら買わなかったであろう善意の買主は、契約の解除と損害賠償請求ができる。代金減額と損害賠償請求という選択もできる。何れも知ってから1年以内に行使しなければならない。(563、564条)
□ 売買の目的物が地上権や質権の目的となっていて買った目的を達することができない場合、善意の買主は契約を解除することができる。悪意なら、何もできない。(566条)
□ 不動産の売買において、抵当権や先取特権が設定されていてその行使により所有権を失った場合、悪意の買主であっても契約を解除することができる。(567条)
□ 売買の目的物に隠れた瑕疵があって買った目的を達することができない場合、善意の買主は契約を解除することができる。悪意なら、何もできない。(570条)
不法行為 □ 加害者に故意・過失があったことを被害者が立証しなければならない。債務不履行では、債務者側で故意・過失がなかったことを立証しなければならない。
□ 被害者に過失があるとき、裁判所は斟酌することができる。債務不履行では、債権者に故意・過失があるときは斟酌しなければならない。(722条)
□ 不法行為による損害賠償請求権について、胎児は既に生まれたものとみなされる。(721条)
□ 不法行為による損害賠償請求権は、被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間、不法行為時から20年経過すると時効によって消滅する。(724条)
□ 注文者は請負人が第三者に加えた損害について責任を負わなくて良いが、台風の日に無理やり仕事をさせるなど注文又は指図につき注文者に過失があるときは責任を負わなければならない。(716条)
 

 以上で、第18回目の講義、法令等>民法3は終りです。次回は、民法4に入ります。

 行政書士試験は、普通の人が、正しい方法で人並以上の努力をすれば合格できます。どんどん先へ進みましょう。