平成16年度 行政書士試験問題 6

法令択一 記述式 41〜50 51〜60

正解例

※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。

一般教養

問題41 ア〜オの四字熟語は、それぞれ一字が空欄になっている。その空欄に入る漢字と組み合わせて、すべて正しい熟語が作られているのはどれか。

ア 平□無事
イ 千□一遇
ウ 五里□中
工 清廉□白
オ 感□無量

   ア    イ    ウ    エ   オ
1 隠居  掲載  悪夢  決別  概算
2 温厚  盆栽  霧雨  傑作  述懐
3 安穏  積載  濃霧  清潔  憤慨
4 音楽  採用  雷雲  結合  該当
5 穏和  裁判  初夢  集結  大概


問題42 次の文章は、「中小企業再生支援協議会」についての説明であるが、下線部Aか
らGのうちに、漢字表記の誤っているものはいくつあるか。

  経営不振に陥った中小企業の経営再建を支援する機関です。中小企業庁の指示によって2004年3月末までに各都道府県に一つずつ設置することになっています。2003年5月2日時点で32の都道府県が設置しました。多くの場合、商丁会議所が事務局になっています。
  支援活動の責任者(プロジェクトマネージャー)には元銀行員や弁護士など企業再生の経験者がA執任しています。同年2月に全国で初めて協議会が設置された福井県では、元銀行員がプロジェクトマネージャーをB努めています。そのほかに2人の中小企業診断士がサブマネージャーとして経営者からの相談にC応じています。
  経営者の話を聞きながら企業が抱えている問題点を整理します。問題がD軽徴な場合は、商工会議所や地方自治体などの中小企業支援機関をE照会します。再生の見込みがある案件については、経営改善計画を作成します。すでに手遅れで再生の可能性がない場合は法的整理を勧めることもあります。
  産業再生機構の中小企業版といえますが、産業再生機構のように、不振企業向け債権を金融機関から買い取るF機能はありません。経営改善計画を作成しても、債権を持っている金融機関の合意を得られなければ、計画は実行できません。企業再生にはG迅捉さが求められるだけに、支援活動の責任者からは「協議会に債権の買い取り幾能を持たせて欲しい」との声があがっています。
  手遅れになってから相談に来る中小企業経営者が多く、再生できそうな案件は経営相談件数に比べるとごくわずかです。人間と同様に企業再生も早期発見・予防が大切です。手遅れになる前に経営者が協議会を訪れるような仕組みが必要になるでしょう。
(出典 日経手帳「今日の言葉」2003年7月号より)

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ


問題43 次の枠内の一文を下記の文章こ挿入したい。(ア)〜(オ)のうち最も適当なところはどこか。

  実験室とは比べものにならない複雑さで様々な要因が絡まりあう現実世界のなかで、記憶の挙動を完全に予測しとらえることができるような一般法則など存在しない。
  「法と心理学会」が設立されたのは2002年11月のことだった。「法」に係わる「人間行動・心理」に関心のある心理学者と、「人間行動・心理」という視点から「法」をとらえていくことに関心のある法学者、法律実務家が共同で立ち上げた学会である。(中略)
  同じ現象に対しても心理学の世界と法の世界ではとらえ方がまったく異なっていることがある。たとえば記憶。心理学では体験した出未事を事細かに話せることが必ずしも記憶の正確さとは結びついていないと考えるのが普通だ。想起された出来事の細部が、元の体験で得られたものではなく、後から紛れ込んでしまった情報によって作られている場合があるからだ。一方、法廷では目撃証言や自白が「詳細かつ鮮明に語られている」ことが信用性評価の重要なチェックポイントになっている。
  おそらく「科学的には」心理学の見方が正しい。しかし、「確かに一般的に言えばそうなのかもしれないが、この事件のこの証言について、何か体験以外のものが紛れ込んでいると言うことを証明できますか」と法律家に訊かれたら心理学者は黙るしかないだろう。(ア)心理学的記憶研究は、たくさんの被験者を対象にして実験をおこない、その結果得られた平均値に基づいて「人間」が共通に持っている記憶特性を解明することを主な課題にしてきた。つまり記憶の一般法則の解明である。(イ)これに対して刑事裁判では一度だけ起こった事件で、一回かぎりの体験をした「個人」の想起が問題になる。(ウ)現実世界の中での一回かぎりの体験と想起。(エ)記憶の一般的法則の発見をめざしてきた心理学にはそれをとらえる方法が欠けている。「詳細かつ鮮明」というチェックポイントは、個別の事例をとらえるときに、それなりに有効に機能してきた実践的な知識なのである。(オ)
  心理学と法学系の共同研究を実質的にすすめていくためには、二つの「文化」の間にあるこうしたズレを一つずつ丁寧に明らかにしていく必要があるだろう。
(山典 高木光太郎「方法としての『ズレ』−法と心理の共同研究に向けて」より)

1 ア
2 イ
3 ウ
4 エ
5 オ


問題44 次のア〜オの文は、枠内の本文に続く一連の文章をバラバラにしたものである。正しい順序は1〜5のうちのどれか。

 近年、片仮名やローマ字で書かれた目新しい外来語・外国語が、公的な役割を担う官庁の白書や広報紙、また、日々の生活と切り離すことのできない新聞・雑誌・テレビなどで数多く使われていると指摘されています。

ア 円滑な伝え合いのためには、相手や場面に応じて、適切な言葉遣いが変わることにいつも留意することが大切です。
イ また、同じ大人でも、相手がその話題に通じているかどうかによって、言葉選びや言葉遣いに自ずと違いが出てきます。
ウ 例えば、高齢者の介護や福祉に関する広報紙の記事は、読み手であるお年寄りに配慮した表現を用いることが、本来なによりも大切にされなければならないはずです。多くの人を対象とする新聞・放送等においても、一般になじみの薄い専門用語を不用意に使わないよう十分に注意する必要があります。
エ そもそも、どんな言葉を使うのが適切かということは、話し手・書き手の意図、想定される聞き手、読み手、話題、使われる環境など、その時々の様々な条件によって変わります。同じ内容の話をするにしても、大人に話すときと子供に話すときとでは、使う単語、声の調子、話す速さ、文の長さなどが変わってきて当然です。
オ ところが、外来語・外国語の使用状況を見ると、読み手のわかりやすさに対する配慮よりも、書き手の使いやすさを優先しているように見受けられることがしばしばあります。
(出典 国立国語研究所「『外来語』言い換え提案」より)

1 ア−ウ−工−オ−イ
2 ウ−オ−工−イ−ア
3 エ−オ−ア−イ−ウ
4 エ−ア−イ−ウ−オ
5 オ−工−ウ−イ−ア


問題45 次の文章の下線部で「芸術は人間が生きていく上で最も基本的な条件に属する」といっているが、その理由として最も適当なものは、1〜5のうちのどれか。

  私は〜芸術の長い歴史の上での歩みとは切り離したところでいうのだが〜芸術とは、それが生活の上で、芸術とは別の何かに奉仕するためにあるものだとは考えない。ということは、なにも、いわゆる芸術至上主義、芸術のための芸術という立場から考えてのことではないのである。「芸術のための芸術」という考え方は、すでに、芸術はほかの何かのために奉仕できるものだということが前提にあり、役に立ちうるものであるがそうやって奉仕するのは拒否するという立場の表明であろう。私は芸術がほかのもの〜宗教なり政治なり、そのほかの何なり〜に奉仕するかしないかは、そのときどきの問題でしかないと考える。私にとって、それ以前にある重要な点と考えられるのは、芸術は人間が生きていく上で最も基本的な条件に属するということである。芸術は、ちょうどわたしたちが食べたり着たり、住んだりするもの、そいういうところを必要とするのと同じように、私たちにとって欠くことのできないものなのである。私たち、食事をする場合、どんな味がしてもかまわないといって食べるたろうか?そういう場合もあるのは事実である。異常な事態のもとで、かろうじて、飢えをしのぐにたるものを求め、ようやく探しあてたといった場合がそれだ。私たちは、いつも飢え死ぎりぎりのところで生きているわけではない。そういうとき、私たちは、それを食べることがより自分の「好み」に合うような食べ方をしたいと望む。それは「うまいもの」であってもよいが、必ずしも、一年中うまいものだけを追い求めているわけではない。ただ、私たちのなかに何かがあって、あるものを選ばせたり、ある種の食事の仕方を、ほかの仕方より、してみたいという気持にさせるのである。
  私は、芸術とは、私たちの好みとか志向に関与するそういう力と同じような根源的な働きに属する何かだと考える。それは選択に当たっての「好き嫌い」だけではない。しかし私たちの好悪の感情といえども、それは表面的、皮相なもののようでいて、実は人間存在の本源に根差すある生命的な重要さをもつ働きに通じたものであることを、忘れないほうがいいだろう。家を建てる場合、食べものを決める場合、身につける衣装を選ぶ場合、どんなときにも、私たちのなかには、ある選択の原理が働いている。芸術はそれと同じ根から生まれるものであって、何かに奉仕するために、自分のなかの本源的要求と食いちがうものを我慢してみても、それは長くは続かない。同じような用途にあてる日常品の場合でさえ、私たちは気に入るものと、気に入らないものとがあるのに気がついて、自分で自分に驚く。芸術はなにも「美しいもの」にだけ関係しているのではないけれど、しかし、私たちの内部にあるところの一つの「針」が、あるものは受けつけ、あるものは避けようとするのである。そうして、私たちは、自分の喜んで迎えるものを、「私はこれが好きだ」と呼ぶ。
(出典 吉田秀和「マネとドゥガ」より)

1 芸術は芸術自体のためにあり、その表現を必要とする芸術家にとって掛け替えのないものであるから。
2 芸術がほかのものに奉仕するかしないかは、その場合によるので、芸術は、人間である作者とそれ自体で完結しているから。
3 芸術は、食事が人間の肉体にとって必要欠くべからざるものであるのと同様、我々の精神にとっての食事となるものであるから。
4 芸術に対して、各個人が好悪の感情を持つことが、芸術が人間の本源的要求と結びついていることの証明であるから。
5 芸術に関して我々人間は、家や食事、衣類などと同様にどれがよいのかという選択評価を行うから。


問題46 次の文は、人間社会の「変化、動き」について述べている。ア〜オの中で、本文の主旨と一致しているものはどれか。

  人の心はやがて世になき物をも作り出すなり。野猪(いのしし)を畜(か)い、山鶏(やまどり)を飼い、野鴨(かも)を飼えば、やがて豚といひ、鶏といひ、家鴨(あひる)といふ物、世に出で来るなり。菊牡丹の珍しきを好めば、様々の菊も牡丹も世に現れ、幾度か接穂されては、終に核子(たね)のなき蜜柑さへ世に出づ。恐ろしき火も、凄まじき水も、天の降せる災とのみは言ふべからず、まことは人の招ける禍(わざわひ)あらぬかは。今の拙(つたな)き人の世は、すなわち今の拙き人の心の描き成せる画なり。
(幸田露伴「ひとり言」より)

ア 人が生き物を飼っていると、それはやがて進化し、人に有用なものとなってゆく。
イ 新しい品種は、必要に応じて人が作り出さねばならないから、努力が大切である。
ウ 人は自らの必要や欲求により、生き物に様々の手を加えてきた歴史を持っている。
エ 天災と思える出来事の原因を人災という人がいるが、その考え方は誤りである。
オ 世の中を見てみると、人の心が至らぬために良き社会が実現できないといえる。

1 ア・ウ
2 ア・工
3 イ・オ
4 ウ・工
5 ウ・オ


問題47 性差別の撤廃に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 国連で採択された女子差別撤廃条約(1979年)について日本は翌年署名したが、国内法制の整備にてまどり、「国連帰人の10年」の最終年(1985年)に批准となった。
2 国連の国際帰人年(1975年)にメキシコで開かれた国際婦人年世界会議において、男女差別が「人間の尊厳に対する犯罪を構成する」ことが初めて宣言され、翌年の国連総会で女性問題解決のための世界行動計画が採択された。
3 男女雇用機会均等法の制定(1985年)と同時に労働基準法上の女子の特別保護規定が見直され、母性保護以外の女子保護規定についても規制が強化された。
4 男女共同参画社会基本法の制定(1999年)によって、女性労働者に対するセクシュアル・ハラスメントの防止に関する事業者の配慮義務が初めて法律上明文化された。
5 内閣府に置かれる重要政策に関する会議の一つとしての男女共同参画会議は、内閣総理大臣が自ら議長をつとめ、会務を総理する。
(注)女子差別撤廃条約、男女雇用機会均等法の正式名称は、それぞれ「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」である。


問題48 国際経済の動向に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 1970年代において先進国経済はスタグフレーションに陥り、貿易摩擦の激化を招いたが、その混乱の克服過程で経済活動のサービス化、金融化、情報化が進んだ。
2 1973年10月の第4次中東戦争および1978年のイラン革命に伴う2度の石油危機により、主要国は1980年代初めにいっせいに変動相場制に移行することになった。
3 1980年代の資本主義経済の変貌を促すきっかけとなったのは、イギリスのサッチャー政権による供給重視の経済政策と規制緩和の推進であった。
4 1985年のプラザ合意を経て、日本の対アジア直接投資と輸入の増加がアジアの新興工業国・地域の経済成長を促したが、ASEAN諸国全般に対する影響はなかった。
5 1980年代後半に主要な旧社会主義諾国が市場経済への移行を開始し、資本主義経済のグローバル化が進行する中で、主要国の金融市場とユーロ・カレンシー市場の分離が進んだ。


問題49 橋本内閣下で設置された行政改革会議は、政策の企両立案機能と実施機能の分離について提言した。その内容として正しいものはどれか。

1 高い視点と広い視野からの政策立案機能を確立するためには、内閣機能の強化を図り、各省の機能をできるだけ実施機能に純化させる必要がある。
2 両機能の分離は、企画立案部門よりも実施部門の過重な責任負担を軽減し、実施部門が国民に対する実施サービスの直接供給に専念できるようにすることを狙ったものである。
3 新しい中央省庁の組織編成にあたって、政策の企画立案機能は本省とその外局にまかせ、実施機能については可能な限り独立行政法人にゆだねることが必要である。
4 両機能の分離は、国と地方の役割分担に相応するものであり、政策立案は国の各省が行い、その実施機能は地方自治体にゆだねることが狙いである。
5 新しい行政組織の編成にあたって、混然一体となっている政策立案機能と実施機
能を組織的に分離し、各部門の役制と責任の分担関係を明確にする必要がある。


問題50 日本の科学技術の歩みに関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 1872年に鉄遣(蒸気機関車)が新橋・横浜間で開通したのに続いて、その3年後には、電信(有線)も東京・横浜間で開通した。
イ 1883年に日本最初の電力会社である東京電灯株式会社が設立され、4年後の1887年には輸入発電機による火力発電所が完成し、電灯用電力の供給を始めた。
ウ 1890年に志賀潔が赤痢の病原体(細菌)を発見したのに続いて、1897年にはフランス滞在中の北里柴三郎がジフテリアおよび破傷風の血清療法を確立した。
エ 1911年、アメリカ滞在中の野口英世が梅毒病原体スピロヘータの純粋培養に成功し、その前後に鈴木梅太郎がオリザニンを発見した。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・ウ
4 イ・工
5 ウ・工


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