平成19年度 行政書士試験問題 4

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 多肢選択式 記述式 一般知識

正解例

法令等

問題31 Aが「もち米」を50キロ買う契約をB米店との間で行い、Bによる引渡しの準備がまだ終わっていない場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 引渡し場所についてA・B間で決めていなかった場合に、BはAが取りに来るまで待っていればよい。
2 Bは、目的物が特定されるまでの間は、B米店にある「もち米」の保管について善管注意義務を負うことはない。
3 目的物が特定される前に、隣家の火災によりB米店の「もち米」がすべて焼失してしまった場合、その焼失はBの責任ではないので、Bは他から「もち米」を再調達して引き渡す義務はない。
4 A・B間で取り決めがなければ、Bは上等な「もち米」を50キロ引き渡さなければならない。
5 「もち米」50キロの所有権は、目的物が特定される前でも、特約がなければ、A・B間の売買契約をした時に移転する。

問題32 次のア〜オの事例のうち、直接強制の方法によって債務者の債務の強制的実現を図ることができるものは、いくつあるか。

ア 銀行から500万円を借り入れた企業が、返済の期限が到来したにもかかわらず、返済をしない事例
イ 画家が、顧客との間で顧客の似顔絵を描く契約を結んだにもかかわらず、似顔絵を描こうとしない事例
ウ カラオケボックスの経営者と周辺住民との間で騒音をめぐって紛争が起こり、夜12時から朝10時まではカラオケボックスの営業をしないとの合意が両者の間で成立したにもかかわらず、夜12時を過ぎてもカラオケボックスが営業を続けている事例
エ ある者の名誉を毀損する記事を雑誌に掲載した出版社が、名誉毀損を理由として謝罪広告の掲載を命じる確定判決を受けたにもかかわらず、謝罪広告の掲載をしない事例
オ 建物の賃貸借契約が終了し、賃借人が建物を明け渡さなければならないにもかかわらず、賃惜人が建物を占有し続けている事例

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題33 AはBから中古車を購入する交渉を進めていたが、購入条件についてほぼ折り合いがついたので、Bに対して書面を郵送して購入の申込みの意思表示を行った。Aは、その際、承諾の意思表示について「8月末日まで」と期間を定めて申し入れていたが、その後、契約の成否について疑問が生じ、知り合いの法律家Cに相談を持ちかけた。次のア〜オのAの質問のうち、Cが「はい、そのとおりです。」と答えるべきものの組合せは、1〜5のどれか。

ア 「私は、申込みの書面を発送した直後に気が変わり、今は別の車を買いたいと思っています。Bが承諾の意思表示をする前に申込みを撤回すれば、契約は成立しなかったということになるでしょうか。」
イ 「Bには、『8月末日までにご返事をいただきたい』と申し入れていたのですが、Bの承諾の意思表示が私に到着したのは9月2日でした。消印を見るとBはそれを9月1日に発送したことがわかりました。そこで私は、これをBから新たな申込みがなされたものとみなして承諾したのですが、契約は成立したと考えてよいでしょうか。」
ウ 「Bからは8月末を過ぎても何の通知もありませんでしたが、期間を過ぎた以上、契約は成立したと考えるべきでしょうか。実は最近もっとよい車を見つけたので、そちらを買いたいと思っているのですが。」
エ 「Bは、『売ってもよいが、代金は車の引渡しと同時に一括して支払ってほしい』といってきました。Bが売るといった以上、契約は成立したのでしょうが、代金一括払いの契約が成立したということになるのでしょうか。実は私は分割払いを申し入れていたのですが。」
オ 「Bの承諾の通知は8月28日に郵送されてきました。私の不在中に配偶者がそれを受け取り私のひきだしにしまい込みましたが、そのことを私に告げるのをうっかり忘れていましたので、私がその通知に気がついたのは9月20日になってからでした。私は、Bが車を売ってくれないものと思って落胆し、すでに別の車を購入してしまいました。もう、Bの車は要らないのですが、それでもBとの売買契約は成立したのでしょうか。」

1 ア・ウ
2 イ・エ
3 イ・オ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題34 次の文章は、民法715条1項の適用が争点となった最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句として、正しいものの組合せはどれか。なお、文章中のYは上告人(被告)を指す。

「@甲組は、その威力をその暴力団員に利用させ、又はその威力をその暴力団員が利用することを容認することを実質上の目的とし、下部組織の構成員に対しても、甲組の名称、代紋を使用するなど、その威力を利用して資金獲得活動をすることを容認していたこと、AYは、甲組の1次組織の構成員から、また、甲組の2次組織以下の組長は、それぞれその所属組員から、毎月上納金を受け取り、上記資金獲得活動による収益がYに取り込まれる体制が採られていたこと、BYは、ピラミッド型の階層的組織を形成する甲組の項点に立ち、構成員を擬制的血縁関係に基づく服従統制下に置き、Yの意向が末端組織の構成員に至るまで伝達徹底される体制が採られていたことが明らかである。以上の諸点に照らすと、Yは、甲組の下部組織の構成員を、その直接間接の[ア]の下、甲組の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業に従事させていたということができるから、Yと甲組の下部組織の構成員との間には、同事業につき、民法715条1項所定の[イ]と[ウ]の関係が成立していたと解するのが相当である。
  また、上記の諸点及び@暴力団にとって、縄張や威力、威信の維持は、その資金獲得活動に不可欠のものであるから、他の暴力団との間に緊張対立が生じたときには、これに対する組織的対応として暴力行為を伴った対立抗争が生ずることが不可避であること、A甲組においては、下部組織を含む甲組の構成員全体を対象とする慶弔規定を設け、他の暴力団との対立抗争に参加して服役した者のうち功績のあった者を表彰するなど、その資金獲得活動に伴い発生する対立抗争における暴力行為を賞揚していたことに照らすと、甲組の下部組織における対立抗争においてその構成員がした殺傷行為は、甲組の威力を利用しての資金獲得活動に係る[エ]と密接に関連する行為というべきであり、甲組の下部組織の構成員がした殺傷行為について、Yは、民法715条1項による[イ]責任を負うものと解するのが相当である。」
(最二小判平成16年11月12日民集58巻8号2078頁以下)

    ア     イ    ウ      エ
1 指揮監督 使用者 被用者   代理権の範囲
2 代理関係 本人  履行補助者 事業の執行
3 代理関係 本人  代理人   代理権の範囲
4 指揮監督 使用者 被用者   事業の執行
5 代理関係 使用者 履行補助者 代理権の範囲

問題35 Aが死亡した場合の法定相続に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。なお、Aの死亡時には、配偶者B、Bとの間の子CおよびAの母Dがいるものとする。

ア Aの死亡と近接した時にCも死亡したが、CがAの死亡後もなお生存していたことが明らかでない場合には、反対の証明がなされない限り、Aを相続するのはBおよびDである。
イ Aが死亡した時点でCがまだ胎児であった場合には、Aを相続するのはBおよびDであるが、その後にCが生まれてきたならば、CもBおよびDとともにAを相続する。
ウ Aにさらに養子Eがいる場合には、Aを相続するのはB、CおよびEであり、Eの相続分はCの相続分に等しい。
エ Aが自己に対する虐待を理由に家庭裁判所にCの廃除を請求して、家庭裁判所がこれを認めた場合には、たとえCに子Fがいたとしても、FはCを代襲してAの相続人となることはできず、Aを相続するのはBおよびDである。
オ Cが相続の放棄をした場合において、Cに子Fがいるときには、Aを相続するのはBだけでなく、FもCを代襲してAの相続人となる。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

問題36 株式会社の設立に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 会社の設立に際しては、発起設立または募集設立のいずれの方法による場合も、創立総会を開催しなければならない。
イ 会社の設立に際して現物出資を行うことができるのは発起人のみであるが、財産引受については、発起人以外の者もその相手方となることができる。
ウ 設立時募集株式の引受人が払込みをせず、当該引受人が失権した場合には、発起人は、自らその株式を引き受けなければならない。
エ 設立時取締役は、その選任の日から会社の設立の登記がなされるまでの期間において、発起人に代わって設立中の会社のすべての業務を行う権限を有する。
オ 会社の設立手続が行われたにもかかわらず会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、会社の設立に関して支出した費用を負担する。

1 ア・工
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 イ・オ
5 ウ・工

問題37 株式買取請求権に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 単元未満株式を有する者は、投下資本の回収を保証するため、いつでも会社に対して単元未満株式の買取りを請求できる。
イ 議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議に反対する株主は、株式買取請求権を行使することができる。
ウ 株主総会決議に反対する株主が買取請求権を行使するには、原則として、その決議に先立ち反対の旨を会社に通知し、かつ、その総会において反対しなければならない。
エ 株式の買取りを会社に対して請求した株主であっても、会社の承諾があれば、買取請求を撤回することができる。
オ 合併承認決議に反対する株主からの買取請求により支払った金額が分配可能額を超えた場合には、取締役はその超過額について責任を負う。

1 ア・ウ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・工

問題38 株式会社の機関等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 株主総会の招集手続および決議方法を調査するため、総会検査役が選任されることがある。
2 取締役が6名以上で、1名以上の社外取締役がいる会社は、特別取締役を取締役会決議で選定することができる。
3 委員会設置会社の業務を執行し代表権を有する執行役は、指名委員会が指名する候補者の中から株主総会で選任される。
4 会計参与は、会計監査人とは異なる会社役員であり、取締役と共同して計算書類等を作成する。
5 取締役会または監査役を設置していない株式会社も設立することができる。

問題39 取締役会設置会社の代表取締役Aが、取締役会の承認を得て、会社から金銭の貸付を受けた場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 取締役会の承認を得て金銭の貸付を受けた場合であっても、Aは、事後にその貸付に関する重要な事実を取締役会に報告しなければならない。
2 Aが自ら会社を代表してA自身を借主とする契約を締結することは、自己契約に当たるため、他の取締役が会社を代表しなければならない。
3 Aが金銭の返済を怠った場合には、取締役会で金銭の貸付を承認した他の取締役は、Aと連帯して会社に対する弁済責任を負う。
4 Aへの金銭貸付に関する承認決議に参加した他の取締役は、取締役会の議事録に当該貸付について異議をとどめなければ、決議に賛成したものと推定される。
5 金銭の貸付を受けたAの損害賠償責任は、株主総会の特別決議によっても一部免除することができない。

問題40 場屋営業等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 商人がその営業の範囲内において物品の寄託を受けた場合には、報酬を受けないときであっても、善良な管理者の注意をもってその物品を保管する義務を負う。
2 場屋の主人は、客より寄託を受けた物品が滅失または毀損した場合には、それが不可抗力によることを証明しない限り、損害賠償の責任を免れることができない。
3 場屋の主人は、客から高価品の寄託を受けた場合には、客がその種類および価額を明告して寄託したときでなければ、その物品の滅失または毀損によって生じた損害を賠償する責任を負わない。
4 客が物品を特に寄託することなく場屋中に携帯した場合において、場屋の主人または使用人の不注意によってその物品が滅失または毀損したときは、場屋の主人は、損害賠償の責任を負う。
5 客が携帯する物品について責任を負わない旨を告示した場合には、場屋の主人は、損害賠償の責任を負うことはない。

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