平成20年度 行政書士試験問題 4

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 多肢選択式 記述式 一般知識

正解例

法令等

問題31 AはBに金銭を貸し付け、この貸金債権を担保するためにB所有の土地の上に建っているB所有の建物に抵当権の設定を受けて、その登記を備えた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

1 Aの抵当権が実行された場合、抵当権設定時に建物内に置いていたB所有の家電製品のテレビには抵当権の効力は及ばない。
2 抵当権設定時にB所有の土地の登記名義はCであった場合でも、抵当権実行により買受人Dのために法定地上権が成立する。
3 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をEに賃貸した場合、BのAに対する債務不履行後に生じた賃料について抵当権の効力が及ぶので、抵当権の実行としてAはこの賃料から優先的に弁済を受けることができる。
4 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をFに賃貸した場合、対抗要件を備えた短期の賃貸借であっても、賃借人Fは抵当権実行による買受人Gに対抗できない。
5 抵当権設定登記後にBが同抵当建物をHに賃貸してHがその旨の登記を備えた場合、抵当権実行による買受人Iからの明渡請求に対して、賃借人Hは、明渡しまでの使用の対価を支払うことなく、6ヶ月の明渡猶予期間を与えられる。

問題32 AがBに対して自己所有の家屋を売る契約をした場合に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 Aが当該家屋をBに引き渡すまでの間は善管注意義務をもって当該家屋を保存・管理しなければならないので、Aの履行遅滞中に不可抗力で当該家屋が滅失してもAが善管注意義務を尽くしていれば責任を負わない。
2 Bが登記を備える前に、AがCに対して当該家屋を二重に売ってしまった場合、CがBより先に仮登記を備えたときでも、AのBに対する債務は未だ履行不能とはならない。
3 Bが登記を備える前に、AがBへの譲渡を知っているDに対して当該家屋を二重に売ってしまい、登記を移転してしまった場合、Bは、それだけではDに対して債権侵害を理由とする不法行為責任を追及できない。
4 Bが登記を備える前に、AがBへの譲渡を知らないEに対して当該家屋を二重に売ってしまい、登記を移転してしまった場合、BがAに対して履行不能による損害賠償を請求するときは、価格が騰貴しつつあるという特別の事情があれば、転売・処分の可能性がなくても、騰貴前に処分したことが予想されない限り、騰貴した現在の価格を特別損害とすることができる。
5 Bが登記を備える前に、Aが、Bを害することを知っているFと通謀して当該家屋をFに対して代物弁済し、登記を移転してしまった場合、Aがその結果無資力となれば、Bは、A・F間の代物弁済を、詐害行為を理由に取り消すことができる。

問題33 A、B、C三人がDから自動車1台を購入する契約をし、その売買代金として300万円の債務を負っている場合に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア この場合の売買代金債務は金銭債務であるので不可分債務となることはないため、Dは、A、B、Cに対して、それぞれ100万円の代金支払請求しかすることができない。
イ Aは、Dに対して、A、B、C三人のために自動車の引渡しを請求することができるが、Dは、A、B、C三人のためであるとしても、Aに対してだけ自動車の引渡しをすることはできない。
ウ 購入した自動車がA、B、C三人の共有となった場合には、Aは、自動車の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
エ 自動車の売買代金300万円について、A、B、Cの三人が連帯債務を負担する場合において、Aの債務についてだけ消滅時効が完成したときは、Aの負担部分については、BおよびCも、その債務を免れる。
オ 自動車の売買代金300万円について、A、B、Cの三人が連帯債務を負担する場合において、Aについては制限行為能力を理由に契約の取消しが認められるときには、Aの負担部分については、BおよびCも、その債務を免れる。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題34 相殺に関する次のア〜ウの記述のうち、相殺の効力が生じるものをすべて挙げた場合、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

ア AがBに対して平成20年5月5日を弁済期とする300万円の売掛代金債権を有し、BがAに対して平成20年7月1日を弁済期とする400万円の貸金債権を有している。この場合に、平成20年5月10日にAがBに対してする相殺。
イ AがBに対して平成18年5月5日を弁済期とする300万円の貸金債権を有していたところ、平成18年7月1日にAがBに対して暴力行為をはたらき、平成20年7月5日に、Aに対してこの暴力行為でBが被った損害300万円の賠償を命ずる判決がなされた。この場合に、平成20年7月5日にAがBに対してする相殺。
ウ A銀行がBに対して平成19年7月30日に期間1年の約定で貸し付けた400万円の貸金債権を有し、他方、BがA銀行に対して平成20年7月25日を満期とする400万円の定期預金債権を有していたところ、Bの債権者CがBのA銀行に対する当該定期預金債権を差し押さえた。この場合に、平成20年8月1日にA銀行がBに対してする相殺。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ
4 イ・ウ
5 ウ

問題35 養子縁組に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 配偶者のある者が成年者を養子とする場合には、原則として配偶者の同意を得なければならないが、配偶者がその意思を表示することができない場合には、その同意を得ないで縁組をすることができる。
イ 配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には、原則として配偶者と共に縁組をしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とする場合には、単独で縁組をすることができる。
ウ 配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には、原則として配偶者と共に縁組をしなければならないが、配偶者もまた未成年者である場合には、単独で縁組をすることができる。
エ 真実の親子関係がない親から嫡出である子として出生の届出がされている場合には、その出生の届出は無効であるが、その子が成年に達した後はその出生の届出を養子縁組の届出とみなすことができる。
オ 真実の親子関係がない戸籍上の親が15歳未満の子について代諾による養子縁組をした場合には、その代諾による縁組は一種の無権代理によるものであるから、その子は、15歳に達した後はその縁組を追認することができる。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・オ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題36 株式会社の株主等の閲覧権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、甲株式会社(以下、甲会社という)は、会社法上の公開会社とする。

1 単独株主Aは、甲会社の株式を市場において1000株取得した時点で、甲会社の株主構成を知りたいと考えた。Aは、営業時間内であれば、いつでも甲会社の株主名簿を閲覧することができる。
2 甲会社の債権者Bは、甲会社からの債権放棄の要請に対して、甲会社の取締役等の責任追及をしたいと考えている。Bは、責任追及のための情報を得るために、営業時間内であれば、いつでも甲会社の取締役会議事録を閲覧することができる。
3 単独株主Cは、甲会社が会社の事業とは無関係な美術品を高額で取得したことは、会社財産を著しく減少させ、甲会社に多大な損害を被らせるおそれがあると考えている。Cは、そのことを裏付けるために、営業時間内であれば甲会社の会計帳簿を閲覧することができる。
4 甲会社の株券を保有しているDは、自己の債権者であるEに、売掛債権の担保としてその株券を略式質として提供したいと申し出た。Eは、甲会社の株主ではないが、Dの保有する株券が喪失株券でないことを確認するために、営業時間内であれば、いつでも甲会社の株券喪失登録簿を閲覧することができる。
5 単独株主Fは、甲会社の経営が一気に悪化した原因が、甲会社に対する親会社の経営支配によるものであると考えている。Fは、この事実関係を確認するために、裁判所の許可を得て、当該親会社の取締役会議事録を閲覧することができる。

問題37 会社法上の公開会社であって取締役会設置会社の代表取締役の権限に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 取締役会は3ヶ月に1回以上招集しなければならないが、その招集権者を代表取締役とすることができる。
イ 取締役の職務の執行が法令および定款に適合するための体制(いわゆる内部統制システム)の整備については、代表取締役が決定する。
ウ 代表取締役は、会社の業務に関する一切の裁判上の権限を有するため、取締役の義務違反により会社に損害が生じた場合に、当該取締役に対する責任追及のための訴訟を提起する。
エ 代表取締役は、取締役会決議に基づいて、代表権の一部を他の取締役に委譲することができる。
オ 取締役会は、法定事項や重要な業務執行について決定権限を有するが、それ以外については、代表取締役に、業務執行の決定を委任することができる。

1 ア・ウ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・エ

問題38 株式会社における剰余金の配当に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 剰余金の配当により株主に交付される金銭等の帳簿価額の総額は、剰余金の配当が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
イ 剰余金の配当においては、株主総会の決議により、当該会社の株式、新株予約権または社債を配当財産とすることができる。
ウ 取締役会設置会社は、1事業年度の途中において1回に限り、取締役会決議により剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款で定めることができる。
エ 純資産の額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当をすることができない。
オ 会社が自己株式を有する場合には、株主とともに当該会社も剰余金の配当を受けることができるが、配当財産の額は利益準備金に計上しなければならない。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

問題39 甲株式会社(以下、甲会社という)の資金調達に関する次の文章の空欄[ア]〜[キ]日に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。なお、以下の文章中の発言・指摘・提案の内容は、正しいものとする。

 東京証券取引所に上場する甲会社は、遺伝子研究のために必要な資金調達の方法を検討している。甲会社取締役会において、財務担当の業務執行取締役は、資金調達の方法として株式の発行、[ア]の発行、銀行借入れの方法が考えられるが、銀行借入れの方法は、交渉の結果、金利の負担が大きく、新規の事業を圧迫することになるので、今回の検討から外したいと述べた。次に、株式の発行の場合は、甲会社の経営や既存株主に対する影響を避けるために、[イ]とすることが望ましいのであるが、会社法は[ウ]について[イ]の発行限度を定めているため、十分な量の資金を調達できないことが見込まれると指摘した。社外取締役から、発行のコストを省くという観点では、[エ]を処分する方法が考えられるという意見が出された。これに対して、財務担当の業務執行取締役は、株式の発行価額が、原則として資本金に計上されるのに対して、[エ]の場合は、その価額はその他[オ]に計上されるという違いがあると説明した。こうした審議の中で、甲会社代表取締役は、[ア]の発行であれば、経営に対する関与が生じないこと、また[ア]を[カ]付とし、[キ]額を[カ]の行使価額に充当させるものとして発行すれば、[キ]に応じるための資金を甲会社が準備する必要はなく、現段階では、有利な資金調達ができるだろうと提案した。

1 ア:社債 イ:議決権のない株式 ウ:公開全社 エ:金庫株式 オ:資本準備金 カ:新株予約権 キ:払戻し
2 ア:債券 イ:議決権のない株式 ウ:上場会社 エ:金庫株式 オ:資本剰余金 カ:取得請求権 キ:払戻し
3 ア:社債 イ:議決権のない株式 ウ:公開会社 エ:自己株式 オ:資本剰余金 カ:新株予約権 キ:償還
4 ア:債券 イ:配当請求権のない株式 ウ:上場会社 エ:募集株式 オ:資本準備金 カ:買取請求権 キ:払戻し
5 ア:社債 イ:配当請求権のない株式 ウ:公開会社 エ:自己株式 オ:利益準備金 カ:取得請求権 キ:償還

問題40 匿名組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 匿名組合員は、信用や労務を出資の目的とすることはできず、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
2 匿名組合員による出資は、組合の財産を形成することはなく、営業者の財産に属する。
3 匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利および義務を有しないが、匿名組合員が自己の商号などを営業者の商号として使用することを許諾したときには、その使用以後に生じた債務について、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。
4 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、または営業者を代表することができない。
5 匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員に対してその出資の価額を返還しなければならず、出資が損失によって減少した場合には、営業者は、その減少額をてん補して匿名組合員に出資の価額を返還する義務を負う。

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