平成21年度 行政書士試験問題 4

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 多肢選択式 記述式 一般知識

正解例

法令等

問題31 A、B、C三人がDに対して60万円の連帯債務を負っている場合に関する次のア〜オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。
ア AがDに60万円を弁済した場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であるときは、Aは、B、Cに20万円ずつ求償できるが、もしCが無資力のときは、Bに対して30万円の求償をすることができる。
イ AがDに60万円を弁済した場合に、A、B、Cの負担部分が1:1:0であり(Cには負担部分がない)、また、Bが無資力のときは、Aは、B、Cに20万円ずつ求償することができる。
ウ DがAに対して60万円の債務を免除した場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であるときは、B、Cは、40万円ずつの連帯債務を負うことになる。
エ DがAに対して連帯の免除をした場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であったときは、Aは、20万円の分割債務を負い、B、Cは、40万円ずつの連帯債務を負うことになる。
オ A、B、C三人の負担部分が平等である事情の下で、DがAに対して連帯の免除をした場合に、Bが債務全額を弁済したときに、もしCが無資力であったとすると、Cが弁済することができない部分のうちAが負担すべき10万円はDが負担する。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題32 他人の財産に対する費用の支出とその償還請求に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。
ア A・B間の家屋売買契約が解除されても、買主Aは解除前に支出した共益費の償還を受けるまで家屋を留置することができるが、Aは、留置中にこれを使用することにより、法律上の原因なく利得することとなるから、その利得を不当利得として返還する義務がある。
イ Aは、Bに対して自己が所有する士地を売り渡したが、この売買契約と同時に買戻しの特約をしていた場合において、Aが買戻権を行使したときは、この売買契約成立後Aが買戻権を行使するまでにBがその土地につき必要費を支出していたとしても、Bは、Aに対してこの費用の償還請求をすることができない。
ウ Aは、Bから建物を賃借して居住し、その間に同建物につき有益費を支出したが、その後に、B・C間で賃貸人たる地位の移転が生じた場合に、Aは、原則としてBに対しては有益費の償還を請求することができない。
エ Aは、Bに対して自己が所有する建物を賃貸していたが、Bが有益費を支出して同建物に増築部分を付加して同建物と一体とした場合において、後にその増築部分が隣家の火災により類焼して失われたときにも、Bは、Aに対して増築部分につき有益費の償還請求をすることができる。
オ Aは、Bと寄託契約に基づき受寄物を保管していたが、保管事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、Bに対し、その費用および支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

問題33 次の文章は、最高裁判所の判決文の一節であるが、文中の空欄[ア]〜[ウ]に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
  「賃貸人の承諾のある転貸借においては、転借人が目的物の使用収益につき賃貸人に対抗し得る権原(転借権)を有することが重要であり、転貸人が、自らの債務不履行により賃貸借契約を解除され、転借人が転借権を賃貸人に対抗し得ない事態を招くことは、転借人に対して目的物を使用収益させる債務の履行を怠るものにほかならない。そして、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合において、賃貸人が転借人に対して直接目的物の返還を請求したときは、転借人は賃貸人に対し、目的物の返還義務を負うとともに、遅くとも右返還請求を受けた時点から返還義務を履行するまでの間の目的物の使用収益について、不法行為による損害賠償義務又は不当利得返還義務を免れないこととなる。他方、賃貸人が転借人に直接目的物の返還を請求するに至った以上、転貸人が賃貸人との間で再び賃貸借契約を締結するなどして、転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回復することは、もはや期待し得ないものというほかなく、[ア]の[イ]に対する債務は、社会通念及び取引通念に照らして[ウ]というべきである。したがって、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、[ア]の[イ]に対する債務の[ウ]により終了すると解するのが相当である。」
(最三小判平成9年2月25日民集51巻2号398頁以下)

   ア   イ   ウ
1 転貸人 転借人 不完全履行
2 転貸人 賃貸人 履行不能
3 賃貸人 転貸人 履行遅滞
4 賃貸人 転借人 履行遅滞
5 転貸人 転借人 履行不能

問題34 不法行為の成立に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 鍵が掛けられていた、他人の自転車を盗んだ者が、その自転車を運転している最中に不注意な運転により第三者に怪我を負わせてしまった場合、自転車の所有者は、第三者に対して不法行為責任を負う。
2 責任能力を有する未成年者が不法行為をなした場合、親権者の未成年者に対して及ぼしうる影響力が限定的で、かつ親権者において未成年者が不法行為をなすことを予測し得る事情がないときには、親権者は、被害者に対して不法行為責任を負わない。
3 飲食店の店員が出前に自動車で行く途中で他の自動車の運転手と口論となり、ついには同人に暴力行為を働いてしまった場合には、事業の執行につき加えた損害に該当せず、店員の使用者は、使用者責任を負わない。
4 請負人がその仕事について第三者に損害を与えてしまった場合、注文者と請負人の間には使用関係が認められるので、注文者は、原則として第三者に対して使用者責任を負う。
5 借家の塀が倒れて通行人が怪我をした場合、塀の占有者である借家人は通行人に対して無過失責任を負うが、塀を直接占有していない所有者が責任を負うことはない。

問題35 相続欠格と相続人の廃除に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 相続欠格においては、その対象者となりうるのは全ての推定相続人であるが、相続人の廃除においては、その対象者となるのは遺留分を有する推定相続人に限られる。
イ 相続欠格においては、その効果は一定の欠格事由があれば法律上当然に生ずるが、相続人の廃除においては、その効果は被相続人からの廃除請求による家庭裁判所の審判の確定によって生ずる。
ウ 相続欠格においては、被相続人および同順位相続人は欠格の宥恕をすることができるが、相続人の廃除においては、被相続人は審判確定後は家庭裁判所にその取消しを請求することはできない。
エ 相続欠格においては、被相続人の子が欠格者となった場合には、欠格者の子は代襲相続人となることができないが、相続人の廃除においては、被相続人の子について廃除が確定した場合でも、被廃除者の子は代襲相続人となることができる。
オ 相続欠格においては、その効果としてすべての相続にかかわる相続能力が否定されるが、相続人の廃除においては、その効果として廃除を請求した被相続人に対する相続権のみが否定される。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問題36 商人間の取引に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 A株式会社は、輸入業者Bとの間で牛肉の売買契約を締結し、Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会った。4ヶ月後に、当該牛肉に狂牛病の可能性のある危険部位があることが分かったため、直ちにBに通知した。この場合に、AはBに対して売買契約の解除、代金の減額または損害賠償を請求することができる。
2 A株式会社は、輸入業者Bとの間でコーヒー豆の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者はコーヒー豆の納入に立ち会い、数量の確認および品質の検査を行った。その際、コーヒー豆の品質の劣化を認識していたが、Bに直ちには通知しなかった。この場合に、AはBに対して売買契約の解除、代金の減額または損害賠償を請求することができない。
3 A株式会社は、輸入業者Bとの間でチューリップの球根の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会ったところ、球根の種類が予定していたものと異なっていた。そこで、Aは直ちに売買契約の解除をBに通知した。Bの営業所が同一市内にあったため、Bが引き取りに来るまでの間、Aは球根を放置していたところ、発芽し、売り物には適さないものになったが、Aには責任はない。
4 A株式会社は、輸入業者Bとの間でバナナの売買契約を締結した。履行期日になったが、Aの加工工場でストライキが起こり、Aは期日にバナナを受領することができなかった。そこでBは、Aへの催告なしに、そのバナナを競売に付し、競売の代金をバナナの代金に充当したが、これについて、Bに責任はない。
5 A株式会社は、輸入業者Bとの間でクリスマス商品の売買契約を締結したが、輸出国の工場での製造工程にトラブルが生じ、商品の製造が遅れたため、納入がクリスマスに間に合わなかった。Aが、Bに対して契約の解除等何らの意向を示さずに、Bからの度重なる連絡を無視し続けた場合、クリスマス商品の受領を拒むことはできない。

問題37 株式会社の定款に関する次の記述のうち、会社法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 会社設立時に株式会社が発行する株式数は、会社法上の公開会社の場合には、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができないため、定款作成時に発行可能株式総数を定めておかなければならないが、会社法上の公開会社でない会社の場合には、発行株式数について制限がなく、発行可能株式総数の定めを置かなくてよい。
2 株式会社は株券を発行するか否かを定款で定めることができるが、会社法は、株券を発行しないことを原則としているので、株券を発行する旨を定款に定めた会社であっても、会社は、株主から株券の発行を請求された段階で初めて株券を発行すれば足りる。
3 株主総会は株主が議決権を行使するための重要な機会であるため、本人が議決権を行使する場合のほか、代理人による議決権行使の機会が保障されているが、会社法上の公開会社であっても、当該代理人の資格を株主に制限する旨を定款に定めることができる。
4 取締役会は、取締役が相互の協議や意見交換を通じて意思決定を行う場であるため、本来は現実の会議を開くことが必要であるが、定款の定めにより、取締役の全員が書面により提案に同意した場合には、これに異議を唱える者は他にありえないため、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなすことができる。
5 取締役会設置会社は監査役を選任しなければならないが、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社の場合には、会計監査人設置会社であっても、定款で、監査役の監査権限を会計監査に限定することができる。

問題38 株主名簿に関する次のア〜オの記述のうち、会社法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。
ア すべての株式会社は、株主名簿を作成して、株主の氏名または名称および住所ならびに当該株主の有する株式の種類および数などを記載または記録しなければならない。
イ 基準日以前に株式を取得した者で、株主名簿に株主として記載または記録されていない者について、会社は、その者を株主として扱い、権利の行使を認容することができる。
ウ 株券発行会社においては、株式の譲受人は、株主名簿の名義書換えをしなければ、当該会社および第三者に対して株式の取得を対抗できない。
エ 会社が株主による株主名簿の名義書換え請求を不当に拒絶した場合には、当該株生は、会社に対して、損害賠償を請求することができるが、株主であることを主張することはできない。
オ 会社が株主に対してする通知または催告は、株主名簿に記載または記録された株主の住所または株主が別に通知した場所もしくは連絡先に宛てて発すれば足り、当該通知または催告は、それが通常到達すべきであった時に、到達したものとみなされる。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題39 株式会社の事業譲渡に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 事業譲渡を行う場合には、譲渡会社と譲受会社の間で、譲渡する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項を包括的に定めた事業譲渡契約を締結しなければならない。
イ 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、譲受会社は、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負い、譲渡会社は当該債務を弁済する責任を免れる。
ウ 譲渡会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から20年間は、同一の事業を行ってはならない。
エ 会社がその事業の全部または重要な一部の譲渡を行う場合には、譲渡会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲渡する資産の帳簿価格が譲渡会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要である。
オ 会社が他の会社の事業の全部または重要な一部を譲り受ける場合には、譲受会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲受会社が対価として交付する財産の帳簿価格の合計額が譲受会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要である。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題40 取締役の選任および解任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 すべての株式会社は、定款において、取締役の資格として当該株式会社の株主である旨を定めることができる。
2 取締役の辞任により員数が欠けた場合、当該取締役は、直ちに取締役としての地位を失うのではなく、新たな取締役が就任するまでの間は、引き続き取締役としての権利義務を有する。
3 解任された取締役であっても、正当な事由がなく解任された場合には、新たな取締役が就任するまでの間は、当該取締役は引き続き取締役としての権利義務を有する。
4 利害関係人の申立により裁判所が一時取締役を選任した場合、当該一時取締役が株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可が必要である。
5 取締役が法令もしくは定款に違反する行為をし、当該行為によって株式会社に著しい損害が生じるおそれがある場合には、株主は直ちに当該取締役の解任の訴えを提起することができる。

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