平成22年度 行政書士試験問題 4

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 多肢選択式 記述式 一般知識

正解例

法令等

問題31 保証に関する1〜5の「相談」のうち、民法の規定および判例に照らし、「可能です」と回答しうるものはどれか。

1 私は、AがBとの間に締結した土地の売買契約につき、売主であるAの土地引渡等の債務につき保証人となりましたが、このたびBがAの債務不履行を理由として売買契約を解除しました。Bは、私に対して、Aが受領した代金の返還について保証債務を履行せよと主張しています。私が保証債務の履行を拒むことは可能でしょうか。
2 私は、AがBから金銭の貸付を受けるにあたり、Aに頼まれて物上保証人となることにし、Bのために私の所有する不動産に抵当権を設定しました。このたびAの債務の期限が到来しましたが、最近資金繰りに窮しているAには債務を履行する様子がみられず、抵当権が実行されるのはほぼ確実です。私はAに資力があるうちにあらかじめ求償権を行使しておきたいのですが、これは可能でしょうか。
3 私の経営する会社甲は、AがBと新たに取引関係を結ぶにあたり、取引開始時から3ヵ月間の取引に関してAがBに対して負う一切の債務を保証することとし、契約書を作成しましたが、特に極度額を定めていませんでした。このたび、この期間内のA・B間の取引によって、私が想定していた以上の債務をAが負うことになり、Bが甲に対して保証債務の履行を求めてきました。甲が保証債務の履行を拒むことは可能でしょうか。
4 私は、AがB所有のアパートを賃借するにあたりAの保証人となりました。このたびA・B間の契約がAの賃料不払いを理由として解除されたところ、Bは、Aの滞納した賃料だけでなく、Aが立ち退くまでの間に生じた損害の賠償についても保証債務の履行をせよと主張しています。私は保証債務の履行を拒むことは可能でしょうか。
5 私は、AがBから400万円の貸付を受けるにあたり、Aから依頼されてCと共に保証人となりましたが、その際、私およびCは、Aの債務の全額について責任を負うものとする特約を結びました。このたび、私はBから保証債務の履行を求められて400万円全額を弁済しましたが、私は、Cに対して200万円の求償を請求することが可能でしょうか。

問題32 AはBのためにある事務処理を行った。これが、@A・B間における委任契約に基づく債務の履行である場合と、ABのために行った事務管理である場合とに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア Aは、@の場合において、事務の処理に関して費用を要するときは、Bに対しその費用の前払いを請求することができるのに対し、Aの場合には、Bに対し事務の管理により生じる費用の前払いを請求することができない。
イ Aは、@の場合には、事務を処理するために善良なる管理者の注意をもって必要と判断した費用についてBに対し償還請求をすることができるのに対し、Aの場合には、Bのために有益であった費用についてのみBに対し償還請求をすることができる。
ウ Aは、@の場合には、Bを代理する権限が法律上当然には認められないのに対し、Aの場合には、Bを代理する権限が法律上当然に認められる。
エ Aは、@の場合には、事務を処理するにあたって受け取った金銭をBに引き渡さなければならないが、Aの場合には、Bに対しそのような義務を負わない。
オ Aは、@の場合には、委任の終了後に遅滞なくBに事務処理の経過および結果を報告しなければならないのに対し、Aの場合には、事務管理を終了しても、Bの請求がない限り、事務処理の結果を報告する義務を負わない。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題33 AのBに対する不当利得返還請求等に関する次のア〜オの記述のうち、判例に照らし、誤っているものはいくつあるか。
ア Aは、Bに対する未払い賃料はないことを知りつつ、Bから賃料不払いを理由とした賃貸建物明渡請求訴訟を提起された場合における防禦方法として支払いをなすものであることを特に表示したうえで、Bに弁済を行った。この場合に、Aは、Bに対し、不当利得として給付した弁済額の返還を請求することができる。
イ Aは、賭博に負けたことによる債務の弁済として、Bに高価な骨董品を引き渡したが、その後、A・B間でBがこの骨董品をAに返還する旨の契約をした。この場合に、Aは、Bに対し、この骨董品の返還を請求することができる。
ウ Cは、BからB所有の家屋を賃借した際に、CがBに対して権利金を支払わない代わりに、Cが当該家屋の修繕義務を負うこととする旨を合意したため、後日、当該家屋の修繕工事が必要となった際、CはAに対してこれを依頼し、Aが同工事を完了したが、CはAに修繕代金を支払う前に無資力となってしまった。この場合に、Aは、Bに対し、不当利得として修繕代金相当額の返還を請求することはできない。
エ Aは、Bとの愛人関係を維持するために、自己の有する未登記建物をBに贈与し、これを引き渡した。この場合に、Aは、Bに対し、不当利得としてこの建物の返還を請求することができる。
オ Bは、Cから強迫を受け、同人の言うままに、Aと金銭消費貸借契約を締結し、Aに指示してBとは何らの法律上または事実上の関係のないDに貸付金を交付させたところ、Bが強迫を理由にAとの当該金銭消費貸借契約を取り消した。この場合に、Aは、Bに対し、不当利得として貸付金相当額の返還を請求することができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題34 A男と、B女が出産したCとの関係に関する次の記述のうち、民法の規定または判例に照らし、誤っているものはどれか。

1 AとBの内縁関係の継続中にBがCを出産し、AによってCを嫡出子とする出生届がかなされた場合において、誤ってこれが受理されたときは、この届出により認知としての効力が生ずる。
2 Bは、Aとの内縁関係の継続中に懐胎し、その後、Aと適法に婚姻をし、婚姻成立後150日を経てCを出産した場合において、AがCとの間に父子関係が存在しないことを争うには、嫡出否認の訴えではなく、親子関係不存在確認の訴えによらなければならない。
3 Bは、Aと離婚した後250日を経てCを出産したが、Aは、離婚の1年以上前から刑務所に収容されていた場合において、Aは、Cとの父子関係を争うためには嫡出否認の訴えによらなければならない。
4 Aによる嫡出否認の訴えは、AがCの出生を知った時から1年以内に提起しなければならないが、Aが成年被後見人である場合には、この期間は後見開始の審判の取消しがあった後にAがCの出生を知った時から起算する。
5 Aが嫡出否認の訴えを提起する場合において、Cが幼少で意思能力を有せず、かつ、Bがすでに死亡しているときには、Cの未成年後見人がいるときであっても、家庭裁判所が選任した特別代理人を相手方とする。

問題35 Aは、海外出張に出かけたが、帰国予定の日に帰国しないまま長期間が経過した。その間、家族としては関係者および関係機関に問い合わせ、可能な限りの捜索をしたが、生死不明のまま出張から10年以上が経過した。そこで、Aについて、Aの妻Bの請求に基づき家庭裁判所によって失踪宣告がなされた。Aの相続人としては、妻Bおよび子Cの2人がいる場合に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア BがAの出張前にAから誕生日に宝石をプレゼントされていたときは、Aの相続開始とされる時においてAが有していた財産の価額に、その宝石の価額を加えたものを相続財産とみなし、Bの相続分の中からその宝石の価額を控除した残額をもってBの相続分とする。
イ Aの相続についての限定承認は、BとCが共同してのみ家庭裁判所に申述することができる。
ウ Aの遺言が存在した場合に、その遺言の効力は、Aの生死が不明になった時から7年の期間が満了した時からその効力を生ずる。
エ CがAの失踪宣告前にAの無権代理人としてA所有の土地および建物をDに売却した場合に、BがCと共同して追認をしないときでも、当該無権代理行為は有効となる。
オ Aについて失踪宣告がなされた後にBはD男と婚姻したが、その後、失踪宣告が取り消された場合に、A・B間の婚姻とB・D間の婚姻は、戸籍の上では共に存在することになるが、両者の婚姻は、当然には無効とならず、共に重婚を理由として取り消し得るにすぎない。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題36 取締役の法令違反行為につき、株主が行使しうる権利に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 監査役または監査委員が設置されている株式会社の株主は、取締役の任務解怠を理由とする責任追及を行うために、当該会社に対して、営業時間内であれば、いつでも取締役会議事録の閲覧および謄写を請求することができる。
2 監査役または監査委員が設置されている株式会社の株主であって一定の数の株式を保有する株主は、当該会社の業務の執行に関し、法令に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときには、当該会社の業務および財産の状況を調査させるために、検査役の選任を監査役または監査委員に請求することができる。
3 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の法令違反行為によって、当該会社に著しい損害が生じるおそれがあるときには、当該取締役に対して当該行為をやめることを請求することができる。
4 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の行為に法令に違反する重大な事実があるときには、当該会社を代表して、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。
5 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主であって一定の数の株式を保有する株主は、取締役が法令違反行為を継続して行っているときには、直ちに当該取締役を解任する訴えを提起することができる。

問題37 取締役会設置会社であって公開会社である株式全社の取締役会の権限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 会社が企業提携のために、特定の第三者に対して、募集株式を時価発行する場合には、取締役会の決定で足りる。
2 会社が資本金を増加するために、剰余金を減少させる場合には、取締役会の決定で足りる。
3 会社が取締役のために、当該取締役の住宅ローンの保証人となる場合には、取締役会の決定を要する。
4 会社が事業拡大のために、銀行から多額の融資を受ける場合には、取締役会の決定を要する。
5 会社が事業の見直しのために、支店を統廃合する場合には、取締役会の決定を要する。

問題38 新株予約権に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権を発行する場合において、募集新株予約権の割当てを受けた者は、払込期間中または払込期日に払込金額の全額を払い込んだときに、新株予約権者となる。
イ 募集新株予約権の行使に際して出資する金銭その他の財産の価額が新株予約権を引き受ける者に特に有利な金額であるときには、募集新株予約権の募集事項は、株主総会の特別決議により決定しなければならない。
ウ 募集新株予約権の発行が法令もしくは定款に違反し、または著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときには、株主は、会社に対して募集新株予約権の発行をやめることを請求することができる。
エ 新株予約権付社債を有する者は、新株予約権付社債についての社債が消滅した場合を除いて、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。
オ 新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権の払込金額は、新株予約権が行使されるか否かにかかわらず、その全額を資本金に計上しなければならない。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題39 持分会社に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 持分会社の無限責任社員は、株式会社の株主とは異なり、金銭出資や現物出資にかぎらず、労務出資や信用出資の方法が認められている。
2 持分会社の社員の持分は、株式会社の株式とは異なり、一人一持分であって、細分化されたものではなく、内容が均一化されたものでもない。
3 持分会社は、会社法上の公開会社である株式会社とは異なり、原則として、社員各自が当該会社の業務を執行し、当該会社を代表する。
4 持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、退社による持分の払戻しが認められているが、当該社員の責任を明確にするために、登記によって退社の効力が生じる。
5 持分会社が全社成立後に定款を変更するには、株式会社の場合とは異なり、原則として、総社員の同意を必要とする。

問題40 陸上の物品運送に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 運送人は、荷送人の請求があるときには、運送状および貨物引換証を作成して、荷送人に交付しなければならない。
イ 貨物引換証により運送品を受け取ることを得べき者に貨物引換証を引き渡したときには、その引渡しは、運送品の上に行使する権利の取得について、運送品の引渡しと同一の効力を有する。
ウ 運送品の全部または一部が滅失した場合において、それが不可抗力によるものであるときには、運送人は、運送賃の全額を請求することができる。
エ 運送人は、自己もしくは運送取扱人またはその使用人その他運送のために使用した者が運送品の受取り、引渡し、保管および運送に関して注意を怠らなかったことを証明するのでなければ、運送品の滅失、毀損または延着について、損害賠償の責任を免れない。
オ 貨幣、有価証券その他の高価品の運送については、荷送人が運送を委託するにあたって高価品の種類および価額を明告した場合でなければ、運送人は、運送品の滅失、毀損または延着について損害賠償の責任を負わない。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

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