平成25年度 行政書士試験問題 3

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 多肢選択式 記述式 一般知識

正解例

法令等

問題21 地方自治法の規定による住民監査請求と事務監査請求の相違について、妥当な記述はどれか。

1 住民監査請求をすることができる者は、当該地方公共団体の住民のみに限られているが、事務監査請求については、当該事務の執行に特別の利害関係を有する者であれば、当該地方公共団体の住民以外でもすることができることとされている。
2 住民監査請求については、対象となる行為があった日または終わった日から一定期間を経過したときは、正当な理由がある場合を除き、これをすることができないこととされているが、事務監査請求については、このような請求期間の制限はない。
3 住民監査請求の対象となるのは、いわゆる財務会計上の行為または怠る事実であるとされているが、こうした行為または怠る事実は、事務監査請求の対象となる当該地方公共団体の事務から除外されている。
4 住民監査請求においては、その請求方式は、当該行為の一部または全部の差止の請求などの4種類に限定されており、それ以外の請求方式は認められていないが、事務監査請求については、このような請求方式の制限はない。
5 住民監査請求においては、監査の結果に不服のある請求者は、住民訴訟を提起することができることとされているが、事務監査請求においては、監査の結果に不服のある請求者は、監査結果の取消しの訴えを提起できることとされている。

問題22 A市においては、地域の生活環境の整備を図るために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者には最高20万円の罰金もしくは最高5万円の過料のいずれかを科することを定めた条例を制定した。この場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 違反者に科される過料は、行政上の義務履行確保のための執行罰に当たるものであり、義務が履行されるまで複数回科すことができる。
2 本条例に基づく罰金は、行政刑罰に当たるものであり、非訟事件手続法の定めに基づき裁判所がこれを科する。
3 条例の効力は属人的なものであるので、A市の住民以外の者については、たとえA市域内の繁華街で路上喫煙に及んだとしても、本条例に基づき処罰することはできない。
4 条例に懲役刑を科する旨の規定を置くことは許されていないことから、仮に本条例が違反者に対して懲役を科するものであれば、違法無効になる。
5 長の定める規則に罰金を科する旨の規定を置くことは認められていないことから、本条例にかえて長の規則で違反者に罰金を科することは許されない。

問題23 地方自治法の定める地方公共団体に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 地方公共団体の組合としては、全部事務組合と役場組合が廃止されたため、現在では一部事務組合と広域連合の二つがある。
2 国と地方公共団体間の紛争等を処理する機関としては、自治紛争処理委員が廃止され、代わりに国地方係争処理委員会が設けられている。
3 大都市等に関する特例としては、指定都市、中核市、特例市の三つに関するものが設けられている。
4 条例による事務処理の特例としては、都道府県知事の権限に属する事務の一部を条例に基づき市町村に委ねることが許されている。
5 特別地方公共団体である特別区としては、都に置かれる区のみがあり、固有の法人格を有する。

問題24 住所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。争いがある場合には、最高裁判所の判例による。

1 日本国民たる年齢満20歳以上の者で引き続き一定期間以上市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
2 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、地方自治法の定めにより、条例の制定又は改廃を請求する権利を有するが、日本国籍を有しない者であっても、そこに住所を有していれば、こうした権利を有する。
3 公職選挙法上の住所とは、各人の生活の本拠、すなわち、その人の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指す。
4 都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている場合、テントにおいて日常生活を営んでいる者は、テントの所在地に住所を有するということはできない。
5 地方自治法に基づく住民訴訟は、当該地方公共団体内に住所を有する者のみが提起することができ、訴訟係属中に原告が当該地方公共団体内の住所を失えば、原告適格を失う。

問題25 国家行政組織法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 国家行政組織法に基づいて行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会および庁であるが、その設置および廃止は、別に政令の定めるところによる。
2 独立行政法人は、国家行政組織法の定める「特別の機関」の一つであり、その設置は国家行政組織法の別表に掲げるところによる。
3 国家行政組織法に基づいて、各省には、各省大臣の下に副大臣および大臣政務官の他、大臣を助け、省務を整理し、各部局および機関の事務を監督する職として事務次官が置かれる。
4 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれの機関の命令を発することができるが、国家行政組織法において、これを「訓令」又は「通達」という。
5 人事院や会計検査院は、国家行政組織法において、「国の行政機関」として位置づけられ、その具体的組織は、それぞれ国家公務員法や会計検査院法によって定められる。

問題26 国家公務員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 国家公務員法は、公務員の職を一般職と特別職とに分けているが、同法は、法律に別段の定めがない限り、特別職の職員には適用されない。
2 懲戒処分は、任命権者が行うこととされており、懲戒処分を受けた公務員は、当該懲戒処分に不服があるときは、当該懲戒処分を行った任命権者に対して異議申立てをすることができる。
3 人事院はその所掌事務について、法律を実施するため、又は法律の委任に基づいて、人事院規則を制定することができるが、内閣の所轄の下に置かれる機関であるため、その案について事前に閣議を経なければならない。
4 懲戒に付せらるべき事件が、刑事裁判所に係属する間においては、任命権者は、同一事件について、懲戒手続を進めることができない。
5 公務員の懲戒処分には、行政手続法の定める不利益処分の規定が適用されるので、これを行うに当たっては、行政手続法の定める聴聞を行わなければならない。

問題27 錯誤による意思表示に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア 法律行為の要素に関する錯誤というためには、一般取引の通念にかかわりなく、当該表意者のみにとって、法律行為の主要部分につき錯誤がなければ当該意思表示をしなかったであろうということが認められれば足りる。
イ 法律行為の相手方の誤認(人違い)の錯誤については、売買においては法律行為の要素の錯誤となるが、賃貸借や委任においては法律行為の要素の錯誤とはならない。
ウ 動機の錯誤については、表意者が相手方にその動機を意思表示の内容に加えるものとして明示的に表示したときは法律行為の要素の錯誤となるが、動機が黙示的に表示されるにとどまるときは法律行為の要素の錯誤となることはない。
エ 表意者が錯誤による意思表示の無効を主張しないときは、相手方または第三者は無効の主張をすることはできないが、第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者が意思表示の瑕疵を認めたときは、第三者たる債権者は債務者たる表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することができる。
オ 表意者が錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは、表意者は、自ら意思表示の無効を主張することができない。この場合には、相手方が、表意者に重大な過失があったことについて主張・立証しなければならない。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問題28 不動産の取得時効と登記に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 不動産の取得時効の完成後、占有者が登記をしないうちに、その不動産につき第三者のために抵当権設定登記がなされた場合であっても、その占有者が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したときは、特段の事情がない限り、占有者はその不動産を時効により取得し、その結果、抵当権は消滅する。
2 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成する前に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなければ時効取得をもって対抗することができない。
3 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなければ時効取得をもって対抗することができず、このことは、その占有者が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したとしても、特段の事情がない限り、異ならない。
4 不動産の取得時効の完成後、占有者が、その時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して時効を主張するにあたり、起算点を自由に選択して取得時効を援用することは妨げられない。
5 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成した後にその不動産を譲り受けて登記をした者に対して、その譲受人が背信的悪意者であるときには、登記がなくても時効取得をもって対抗することができるが、その譲受人が背信的悪意者であると認められるためには、同人が当該不動産を譲り受けた時点において、少なくとも、その占有者が取得時効の成立に必要な要件を充足していることについて認識していたことを要する。

問題29 Aが自己所有の事務機器甲(以下、「甲」という。)をBに売却する旨の売買契約(以下、「本件売買契約」という。)が締結されたが、BはAに対して売買代金を支払わないうちに甲をCに転売してしまった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Aが甲をすでにBに引き渡しており、さらにBがこれをCに引き渡した場合であっても、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、甲につき先取特権を行使することができる。
2 Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、CがAに対して所有権に基づいてその引渡しを求めたとき、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、同時履行の抗弁権を行使してこれを拒むことができる。
3 本件売買契約において所有権留保特約が存在し、AがBから売買代金の支払いを受けていない場合であったとしても、それらのことは、Cが甲の所有権を承継取得することを何ら妨げるものではない。
4 Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、CがAに対して所有権に基づいてその引渡しを求めたとき、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、留置権を行使してこれを拒むことができる。
5 Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、Bが売買代金を支払わないことを理由にAが本件売買契約を解除(債務不履行解除)したとしても、Aは、Cからの所有権に基づく甲の引渡請求を拒むことはできない。

問題30 詐害行為取消権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 遺産分割協議は、共同相続人の間で相続財産の帰属を確定させる行為であるが、相続人の意思を尊重すべき身分行為であり、詐害行為取消権の対象となる財産権を目的とする法律行為にはあたらない。
2 相続放棄は、責任財産を積極的に減少させる行為ではなく、消極的にその増加を妨げる行為にすぎず、また、相続放棄は、身分行為であるから、他人の意思によって強制されるべきではないので、詐害行為取消権行使の対象とならない。
3 離婚における財産分与は、身分行為にともなうものではあるが、財産権を目的とする法律行為であるから、財産分与が配偶者の生活維持のためやむをえないと認められるなど特段の事情がない限り、詐害行為取消権の対象となる。
4 詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産を保全する目的において行使されるべき権利であるから、債権者が複数存在するときは、取消債権者は、総債権者の総債権額のうち自己が配当により弁済を受けるべき割合額でのみ取り消すことができる。
5 詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産を保全する目的において行使されるべき権利であるから、取消しに基づいて返還すべき財産が金銭である場合に、取消債権者は受益者に対して直接自己への引渡しを求めることはできない。

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