行政書士資格塾掲示板・過去ログ

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[244] 無題 投稿者:ケン 投稿日:2007/12/07(Fri) 09:51
今年の受験に失敗して、来年に向けて始めたところです。
民法119条に
無効な行為は、当事者がその行為の無効であることを知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなす。
とありますが、イメージが浮かびませんので
具体例を挙げていただけませんか。よろしくお願いします。

[244へのレス] 無題 投稿者:できそこない 投稿日:12/7-12:39
どうも、できそこないです。まず、条文を見てみます。
民§119 無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。
     ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。
「無効な行為」とは、定型的なものとしては、民法上の公序良俗違反行為、当事者の相手方が知り得た心裡留保行為、錯誤、通謀虚偽表示、解除条件が既に条件として成立していた場合のその条件行為、不法条件を付した行為、債務者の意志のみに係る停止条件つき法律行為、届出行為と意志を欠いた婚姻縁組などがあげられます。
「追認」とは、瑕疵ある法律行為があった後からその行為の効果を認めたいというものですね。
ここで注目。次の「効力を生じない」すなわち無効とは、『「何人の主張も待たずに、最初から確定的に効果を生じない事」またはそのような状態にあること』であります。それってどういうこと?とクエスチョンマークがつきますが・・具体的には、民法§1V「権利の濫用」に当たるような行為が無効の典型となります。一般に、行為の内容が「確定可能、実現可能、適法性・社会的妥当性なし」、すなわち、内容がわかりにくい、ありえない、やっちゃいけないこと、世間がゆるさないこと、ですよね(笑)。
長くなりそうなので、次の書き込みに続きます・・

[244へのレス] 無題 投稿者:できそこない 投稿日:12/7-13:19
ところで、「瑕疵ある法律行為」とは、ちょっと私が先走った感がありますので、ちょっと補充します。「法律行為に瑕疵があって通常の効果を発しないと考えるには、意思表示に欠陥がある、前述の効力要件を満たさない法律行為である必要がある」、という意味です。
ここで取り消しうる行為についてちょっと考えておきたいのですが、「取消し」とは、「正常な判断能力のない状態で取引行為を行った意思表示の主体を保護する」、あるいは、民§424詐害行為取消権のように、「債権者の責任財産保護を行う」、そういった「権益を損なうおそれのある当事者」保護のための制度です。
これらを考えると、§119後段の、「当事者がその行為の無効であることを知って追認」という部分の意義が見えてきます。つまり、「行為を行う側と受ける側が、その行為を成立しないような内容のものと知っていた場合に、それをあえて認めるような約束や、意思表示をすること」ということです。
これを「新たな行為をしたとみなす」というのが、§119のキモですね。前述の部分と組み合わせて言い換えると、「行為を行う側と受ける側が、その行為を成立しないような内容のものと知っていた場合に、それをあえて認めるような約束や、意思表示をすることをしても、もともとの行為に追認の効果は与えません。新しい法律行為として成立させますよ」ということなのです。
次に続きます。

[244へのレス] 無題 投稿者:できそこない 投稿日:12/7-13:34
つまり、民法上の「追認」には遡及効が認められるから、ある行為を後の時点で有効としてそれを行為の時に有効とさせるのですよね?あれ、ちょっと待ってください・・無効な行為は行為の最初から効力を生じてはならないことになっているはずです。だから、追認することで「遡及効を与えて行為の当時から有効にする」ことは認められないし、無効な行為をして後から追認するようなずるい人たちが増えるから、民法の秩序が壊れてしまう・・だから、「もともとの行為はダメなものだけど、有効に成立させたいのなら新しい行為として成立をさせましょう。不公平になりますからね・・」という趣旨が必要なのですね。
次に、具体例を考えてみたいと思います。

[244へのレス] 無題 投稿者:できそこない 投稿日:12/7-14:05
登場するのは、A・B・Cの三人。Cを自分と考えましょう。AとBは大親友。ある日、Aが借金をしてBに助けを求めてきました。「俺の家が借金のカタにとられるかもしれない。B、俺の家を買い取ったことにして、登記もそろえてしばらく所有していてくれ!」Bは了解して、虚偽の契約をした後に登記をしました。AはBに連絡先を教えて姿をくらましました。さて、Aが姿をくらましている間に、今度はBの経済状況が悪化してきたので、背に腹を変えられず、BはC(あなた)と家の売買契約を結ぶことにしたのです。BはAとあなたに事情を話します。AはBのことを思って潜伏先から了解し、後はC、あなたが売買を了解するかしないかになりました。
  ここでCがAB間の無効な売買を追認した場合、ABの売買契約は新しく別の売買契約として成立が擬制されます。つまり、ABの契約は通謀虚偽表示として無効、所有権はAのもとで留保されたままであるが、BCの売買契約においてその追認が求められたため、新たな売買契約としてBに正式に所有権が移転し、Cは問題なく建物の所有権と登記を受けられるようになる、ということです。
  行政書士試験では、平成2年の第27問、平成6年の第27問で、§119の条文そのままの問題が出ていますよ〜♪私も今年ダメっぽいので、めげずに来年がんばりましょうね!

[244へのレス] 無題 投稿者:ケン 投稿日:12/7-22:26
とても詳しい、すばらしい解説です。
ほんとうにありがとうございます。
一読では理解できませんので、何回も読みます。多謝。

[244へのレス] 無題 投稿者:ケン 投稿日:12/8-22:16
数回読みやっと理解できました。
抽象的な条文は、私らでは具体的イメージが浮かばす理解しがたいことが多いです。
「できそこない」さんて法的思考レベルと解説能力のとても高い方ですね。
行政書士能力のレベルはすでに超えておられます。その文章を読めばわかります。

[244へのレス] 無題 投稿者:惜しいね 投稿日:12/9-12:13
惜しいけど、致命傷があるね。間違ってる。
まず、例示の仕方が適切じゃない。
ほぼ、原則論に終始してるんだから、それに見合った例示をすべき。
>> 無効な行為」とは、定型的なものとしては、民法上の公序良俗違反行為、当事者の相手方が知り得た心裡留保行為、錯誤、通謀虚偽表示、解除条件が既に条件として成立していた場合のその条件行為、不法条件を付した行為、債務者の意志のみに係る停止条件つき法律行為、届出行為と意志を欠いた婚姻縁組などがあげられます。
この部分の例示の仕方を再考しよう。追認によって新たな法律行為となるもののみを例示した方がいいでしょう。もしこういう書き方をするならば、追認によっても有効とならない行為にも触れる方が良い。
それと致命的なのは、最後の例だね。
通謀虚偽表示の無効の主張ができる人間と、追認権者はイコールにはならないでしょう
例文からCがABの通謀虚偽表示につき善意か悪意か明確ではないけれど、善意なら登記経由後に売買に入ったCからみて、AB間の売買は通謀虚偽表示ならば、94条2項で保護すればいいわけですよ。でも、この例はBC売買契約時点では通謀虚偽表示にならんよ。それになぜ、新たに登場するCがAB間契約の当事者になるのか。Cは追認する立場にはないでしょう。Cは第三者でしょう。
追認があったとみるべきは、
>> AはBのことを思って潜伏先から了解し、
の時点じゃないの。
BC間の売買契約に問題なんかないでしょ、この例なら。
それ以前にABともに追認してるんだから。
それにAB契約が通謀虚偽表示でAが追認してるとみたら119条じゃないよ。その場合は116条を類推適用します。

[244へのレス] 無題 投稿者:できそこない 投稿日:12/9-20:14
ということです。やっぱり詰めの甘い私です・・orz ケンさん、申し訳ありません。 
ここらへんが私のできそこないな理由ですな。もうしわけございませんケンさん、254さんの書き込みが正しいです。
119条における追認は、行為をなした当事者の追認です。だから、AとBの間の追認のみを考えてくださいね。
ちなみに116条は無権代理行為の追認です。ケンさん、そういうことですので、254さんの意見をしっかり参考にしてください。あと、過去問については間違いありませんので・・
254さん、ありがとうございました〜!!

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